ハロウィンの夜。 [horror(戦慄)]
一年にたった一度のハロウィン。
みんなが待ちに待ったこの日。
街は怖ろしい姿をした連中があふれ、
血に飢えた怪物や気味の悪い妖怪たちが大手を振って大通りを闊歩している。
「おお!嬉しい!今夜は存分に楽しめるぞ!」
吸血鬼が叫ぶ。
「グァオ。オレ、暴れたい!」
フランケンも雄叫びをあげる。
「ゔー、おうおう」
ゾンビも何かを言いたそうだ。
怪物たちで溢れた通りの真ん中で、魔女が2人。
片方がいささか怯えた声をあげた。
「ね、ねえ、この人たちの扮装、すごいね。リアルすぎ…」
「ほ、ほんと。なんか怖いくらい」
その声を聞きつけた狼男がクンクン匂いを嗅いで吠えた。
「ここに人間が紛れ込んでるぞ!」
「人間?オレにくれ〜!」「脳みそくれー」「血を飲ませろ〜」
異世界との境界が曖昧になる、年に一度のハロウィンの夜。
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