第七百十一話_short ジャズる [allegory(寓意)]
エリントンを知らなきゃあね。
確かにエリントンはすごいけど、それを言うならベイシーでしょ。
わたしゃフルバンドよりダンモですな。
ほぉ。ダンモってどのあたりの?
ビ・バップこそ本流だよ。
それもいいけどいまどきかって気もするが。
じゃぁ、クールジャズ?
マイルスはすごいが、あんまり好きでねえ。
なら、フリー方面では?
いや、フリージャズも好きにはなれないね。
最近はヨーロピアンがいいんじゃない。
そのうち小声で、近頃はね、イスラエルあたりだよ。
客たちのジャズ談義を黙って聞いていた我がマスターが、私にだけ聴こえる声でぼそっと言った。
そうだね、そうだね、ぜんぶいいんだねぇ。
いいジャズはいいんだねぇ。
いい音楽はいいんだねぇ。
語るよりも、聴いて感じて染みてくる、ほんとうはそれで十分だということなのだ。
了
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<参考: 『サントリー/コピー:仲畑貴志』 >
「角」÷H2O
そのH20が問題なのです。
井戸水に限るという者がいるかと思えば、
いや井戸水はいけないという者もいる。
そこへ、ミネラルウォーターが良いと口をはさむものがいて、
水道で充分という者がおり、
それならば断じて浄水器を使用すべしと忠告するものがいる。
また、山水こそ至上と力説する自称水割り党総裁が出現し、
清澄なる湖水に勝るものなしと異論が生じ、
花崗岩層を通った湧き水にとどめをさすと叫ぶものあり。
果ては、アラスカの水(南極ではいけないという)を丁重に削り取り、
メキシコの銀器に収め、赤道直下の陽光で溶かし、さらにカスピ海の・・・
と茫洋壮大なる無限軌道にさまよう者もある。
と思えば、秋の雨です。と耳うちする者がいたりする。
我が開高健先生によれば、「よろし、よろし、なんでもよろし、
飲めればよろし、うまければよろし」ということになる。
さて、あなたは?今夜あの方と、水入らずで。「角」。
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